【5月5日 AFP】パキスタンの情報機関当局者が4日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者が米軍特殊部隊によって殺害された瞬間を、同容疑者の娘が目撃したと証言していると語った。

 パキスタン軍の情報機関、三軍統合情報部(Inter-Services IntelligenceISI)の当局者が匿名を条件にAFPに語ったところによると、ISIは米軍急襲時にビンラディン容疑者の潜伏先とされる邸宅にいた大人3人、子ども9人の計12人の女性を拘束し、事情聴取をしている。うち1人はビンラディン容疑者の妻のイエメン人女性で、米軍に足を撃たれた。また1人は同容疑者の娘だという。

 これによると、12歳だと伝えられているこの娘は「ウサマ(ビンラディン容疑者)が死んだこと、撃たれてどこかへ運ばれていったことをわれわれに証言した」という。

 この当局者はまた、パキスタンは米情報当局と2009年から情報を共有していたと語った。ISIが2009年に米国に提供した情報は、この邸宅がビンラディン容疑者の隠れ家であることを直接的に示すものではなかったが、米軍は最終的にこの邸宅にたどり着いたという。

 ビンラディン容疑者がパキスタン軍施設のすぐ近くに数か月にわたって潜伏できたことをめぐり、パキスタン政府に疑惑の目が向けられていることについてこの当局者は、ISIは2003年にアルカイダのナンバースリー、アブ・ファラジ・アル・リビ(Abu Faraj al-Libbi)容疑者を追って問題の邸宅を捜索したが失敗に終わり、その後この邸宅は「われわれのレーダーから消えていた」と説明した。(c)AFP