【4月21日 AFP】英エネルギー大手BPは20日、昨年メキシコ湾(Gulf of Mexico)で起きた原油流出事故をめぐり、掘削施設を所有するスイスの油田掘削大手トランスオーシャン(Transocean)と、海底油田の暴噴防止装置を製造した米キャメロン・インターナショナル(Cameron International)を相手取り、400億ドル(約3兆3000億円)の損害賠償を求める訴訟を米ニューオーリンズ(New Orleans)の連邦地裁に起こした。

 BP側はトランスオーシャンについて「炭化水素がライザーパイプをせり上がるという(事故の)重大な予兆を見逃し、適切な対応を取り損ねた」と非難し、「油田掘削施設ディープウオーターホライズン(Deepwater Horizon)の所有・運営者として、同社は油濁法(Oil Pollution Act)に基づく当事者責任があり、メキシコ湾岸が負った経済的・環境的損害からの復興に取り組むべきだ」と主張している。

 またキャメロン・インターナショナルについては、同社が製造した海底油田の暴噴防止装置のひとつに欠陥があり、作動しなかったことが事故につながったと主張している。

 BPの提訴を受け、キャメロン・インターナショナルは自社の装置に問題はなかったとして、ただちに反訴した。

 BPは事故の影響を受けた「すべての人」への賠償を約束しており、200億ドルの信託基金を設立し、これまでに17万7000人に計39億ドル(約400億円)を支払っている。(c)AFP

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