【4月15日 AFP】米司法省は今週、サウスカロライナ(South Carolina)州バークレー(Berkeley)郡の刑務所で受刑者に聖書以外の読み物の持ち込みを一切禁じた連邦保安官を、同州チャールストン(Charleston)の裁判所に訴えた。

 訴状によると司法省は、バークレー郡刑務所ではH・ウェイン・デウィット(H. Wayne DeWitt)保安官によって、手紙類や雑誌、司法関係の会報などの持ち込みが禁止されているとの苦情申し立てを、多数の受刑者から受けた。「実際、被告が唯一持ち込みを認めていた書籍・雑誌・新聞・宗教的刊行物の類は、聖書だけだ」と、訴状には記されている。

 受刑者らには無料で「欽定訳聖書」が配布されたが、ユダヤ教徒やイスラム教徒の受刑者がトーラ(ユダヤ教の経典)やコーランを希望しても、家族の差し入れ以外は不可だと言われたという。その上、あるイスラム教徒の受刑者が恋人にコーランの差し入れを頼んだところ、刑務所側は受け取りを拒否したという。

 司法省は、こうした慣行は信教の自由を保障した米国憲法修正第1条(First Amendment of the US Constitution)など複数の法律に抵触すると主張している。(c)AFP