【4月15日 AFP】フランス軍が1866年に李氏朝鮮時代の江華島(Ganghwa Island)を攻撃した際に持ち去った朝鮮王朝の図書が14日、145年ぶりに韓国に戻った。

 これまで仏国立博物館が所蔵していた296点のうち、朝鮮王室の儀式を挿絵などで記した「儀軌(Uigue)」など75点が韓国に到着。今後、ソウル(Seoul)の国立中央博物館で保管される。

 形式上は「5年間の貸与」だが、貸与契約は永続的に更新可能となっており、事実上の返還といえる。残る221点も、5月末までに韓国に戻される予定だ。

 これらの図書は1975年、仏国立博物館で韓国の歴史学者が偶然に発見。以来、韓国は返還を求めていたが、1993年にフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterrand)大統領(当時)が訪韓した際に1点が返還されただけだった。

 前年11月にソウルで開催された主要20か国・地域(G20)首脳会議で、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領と李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領が、残る図書について5年更新の「貸与」の形態で韓国に戻すことで合意した。(c)AFP