【4月14日 AFP】気候変動が進むと、地球の表面を覆うプレート(岩盤)の動きにも影響が及ぶと指摘する初の研究論文がこのほど、豪・仏・独の合同研究チームによって発表された。巨大地震の発生メカニズムを理解する上で1つの有益な学術的知見を示してくれそうだ。

 地軸が数センチずれたとされる前月の東北地方太平洋沖地震や、2月のニュージーランド地震のような大地震の発生要因を解き明かすためには、プレートがなぜ移動の方向と速度を変えるのかを理解することが重要になる。

 オーストラリア国立大(Australian National University)の地球科学者ジャンピエロ・イアファルダーノ(Giampiero Iaffaldano)博士率いる研究チームは、過去1000万年の間にインド・モンスーンが強さを増した結果、インドプレートの移動速度が約20%加速していたことを突き止め、地球惑星科学の専門誌『Earth and Planetary Science Letters』に発表した。

 イアファルダーノ氏によると、プレート運動によって山脈や海溝が造られ、周辺の気候に影響が出ることは専門家の間で以前から知られていたが、その逆の関係性が示されたのは今回が初めてという。

 ただし、こうした現象は数百万年単位で進行することから、今回の研究結果は、地球温暖化によって巨大地震が多発するようになるということを示すものではないと、イアファルダーノ氏は強調している。

 研究チームは今後、特定の気候が他のプレートにも影響を及ぼしていないかを調べる予定だ。例えば南米のアンデス山脈や北米のロッキー山脈でそうした痕跡が発見される可能性が期待できるという。(c)AFP