【4月12日 AFP】イエメンのアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領は11日、湾岸協力会議(Gulf Cooperation CouncilGCC)外相会議が前日示した副大統領への権力移譲などを内容とする調停案について、憲法に則り「平和的」な権力移譲を行う用意はあると述べた。

 1987年以来、大統領の座にあるサレハ大統領に対し、イエメン全土では1月から大規模なデモが続いている。GCCの提言を受けて大統領府は「これまでにも重ねて発表している通り、大統領は憲法上の枠組みに沿った、平和的で円滑な権限の移譲に対し、何の留保するところもない」と発表した。
 
 しかしこの大統領府声明では、サレハ大統領がアブドラボ・マンスール・ハディ(Abdrabuh Mansur Hadi)副大統領への権力委譲を促したGCCの調停案を受け入れるのかどうかについて結局、明言していない。サレハ大統領は8日には、カタールの首相の退陣提案を「無礼な内政干渉」と切り捨て、ドーハ(Doha)駐在のイエメン大使を引き揚げている。

■一枚岩ではない反体制勢力

 一方、GCCの提言について、大統領退陣を迫る勢力の反応も分かれている。

 イスラム系政党から左派政党まで幅広く含まれる野党連合コモン・フォーラム(Common Forum)の活動家モハメド・サブリ(Mohammed al-Sabri )氏は、GCCの提言は同連合が前週発表した提言とほぼ変わらないと述べ、基本的に歓迎する意向を示した。

 ただし、GCCの提言にはサレハ大統領の即時退陣を要求するオリジナル版と、大統領から副大統領への権力移譲を要求する修正版があり、コモン・フォーラムは考え方の近いオリジナル版の方を支持すると語った。

 反体制デモに参加する若者たちのグループの連合体ユース・フォー・チェンジ(Youth for Change)はGCCの調停案自体を認めず、あくまでサレハ大統領の即時退陣と訴追を求めている。

 同連合の主要な活動家の1人、アデル・ラビ(Adel al-Rabyi)氏は「現政権と野党の交渉で生まれた解決策になど、まったく関心がない。政権とその主要人物の打倒という、われわれの一番の要求に答えていないからだ。われわれの革命が乗っ取られるのは受け入れがたい」と述べた。

 コモン・フォーラムの指導者たちはこれまでも、自分たちは反体制デモを仕切っていないと繰り返し述べている。AFP特派員によると11日、首都サヌア(Sanaa)の大学広場では数千人が行進し、「大統領を裁判にかけろ」とスローガンを叫んだ。(c)AFP