【4月10日 AFP】東京電力(TEPCO)福島第1原発から放射性物質を含む汚染水を海に放出したことに対し周辺国から懸念の声が上がる中、菅直人(Naoto Kan)首相は10日、「もう少ししっかりとした説明が必要だった」と述べた。被災地視察のため訪れた宮城県石巻市で記者団の質問に答えた。

 同原発では前週、原子炉の冷却作業の障害となっている汚染水の除去作業が本格化。施設内にたまっている高濃度の放射能汚染水の貯蔵場所を空けるために緊急措置的に、1万トン以上の比較的低濃度の汚染水を海に放出し、韓国および中国政府は、太平洋の海洋生物への影響について懸念を表明していた。

 菅首相に先立ち枝野幸男(Yukio Edano)官房長官も、「あらかじめ詳細なより丁寧な説明が必要ではなかったかとの指摘は真摯(しんし)に受け止めなければいけない」と述べている。(c)AFP/Yasuyoshi Chiba