100年前の「南極ウイスキー」を再現、5万本を限定販売
このニュースをシェア
【4月6日 AFP】100年以上前に英国の探検家が南極の凍土に残したスコッチウイスキーを持ち帰って分析していたニュージーランドの南極歴史遺産トラスト(Antarctic Heritage Trust、AHT)が、このウイスキーを再現し限定販売すると発表した。
このウイスキーは、英国の探検家アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)が1907年から08年にかけて南極探検を行った際に残したもの。シャクルトン探検隊は南極点を目指したが失敗に終わった。ニュージーランド・クライストチャーチ(Christchurch)を拠点とする南極歴史遺産トラストが2006年、シャクルトン探検隊が南極で使用していた小屋を調査中にスコッチウイスキーの「マッキンレー(Mackinlay)」11本が入った木箱を発見し、2010年にニュージーランドに運んでいた。
このうち3本は、スコットランドにある「マッキンレー」の製造元、ホワイト・アンド・マッカイ(Whyte and Mackay)の蒸留所に送られ、マスターブレンダー、リチャード・パターソン(Richard Paterson)氏が研究室で分析していた。
■1本約1万4000円で販売
南極歴史遺産トラストのナイジェル・ワトソン(Nigel Watson)氏によると、当時の醸造法記録は残っていないが、パターソン氏がさまざまなモルトのブレンドを試み、再現に成功。限定ブレンドとして、5万本を100ポンド(約1万4000円)で販売するという。
このうち5%が南極歴史遺産トラストに支払われる。40万ドル(約3400万円)の収入が見込めるため、ワトソン氏は同トラストの南極の歴史遺産保存活動に充てたいと話している。
「始まりから終わりまで、4年の歳月を費やした。南極の凍土からウイスキーを取り出し、細心の注意をはらって南極から運び出し、分析を行う博物館で慎重に解凍し、許可を取ってスコットランドでの化学分析を終えるまでね」(ワトソン氏)
■予想外に繊細な味わい
これまでのところ、パターソン氏のほかに「南極ウイスキー」を試飲したのは、ウイスキー評論家のデービッド・ブルーム(David Broom)氏だけだ。ブルーム氏は、このウイスキーを、「予想に反して繊細。最後にスモーキーな香りをわずかに残す」と表現。ニュージーランドのラジオ局に、
「100年前に作られたものはみな大きくて力強いとの先入観があった。スモーキーな香りや、シェリー酒の大樽からくるドライフルーツの味わいが強いんだろう、と」と語った。
「だから、リチャード(パターソン氏)と私は、このウイスキーを味わったとき、驚きを隠せなかった。品質が優れていただけでなく、なかなか繊細なスタイルを持ち合わせていたんだ」(ブルーム氏)
南極のシャクルトン探検隊の小屋からは、持ち帰ったもののほかにも、ウイスキー2箱、ブランデー2箱も見つかっているが、こちらは小屋の床下に残されたままだ。
一方、ニュージーランドに運ばれたウイスキーの木箱には、本来ならば12本のウイスキーが入っているはずだった。1本足りない理由については、おそらくシャクルトンか探検隊員が、極寒の南極で体を内側から温めようと飲んだのではないかとみられている。(c)AFP
このウイスキーは、英国の探検家アーネスト・シャクルトン(Ernest Shackleton)が1907年から08年にかけて南極探検を行った際に残したもの。シャクルトン探検隊は南極点を目指したが失敗に終わった。ニュージーランド・クライストチャーチ(Christchurch)を拠点とする南極歴史遺産トラストが2006年、シャクルトン探検隊が南極で使用していた小屋を調査中にスコッチウイスキーの「マッキンレー(Mackinlay)」11本が入った木箱を発見し、2010年にニュージーランドに運んでいた。
このうち3本は、スコットランドにある「マッキンレー」の製造元、ホワイト・アンド・マッカイ(Whyte and Mackay)の蒸留所に送られ、マスターブレンダー、リチャード・パターソン(Richard Paterson)氏が研究室で分析していた。
■1本約1万4000円で販売
南極歴史遺産トラストのナイジェル・ワトソン(Nigel Watson)氏によると、当時の醸造法記録は残っていないが、パターソン氏がさまざまなモルトのブレンドを試み、再現に成功。限定ブレンドとして、5万本を100ポンド(約1万4000円)で販売するという。
このうち5%が南極歴史遺産トラストに支払われる。40万ドル(約3400万円)の収入が見込めるため、ワトソン氏は同トラストの南極の歴史遺産保存活動に充てたいと話している。
「始まりから終わりまで、4年の歳月を費やした。南極の凍土からウイスキーを取り出し、細心の注意をはらって南極から運び出し、分析を行う博物館で慎重に解凍し、許可を取ってスコットランドでの化学分析を終えるまでね」(ワトソン氏)
■予想外に繊細な味わい
これまでのところ、パターソン氏のほかに「南極ウイスキー」を試飲したのは、ウイスキー評論家のデービッド・ブルーム(David Broom)氏だけだ。ブルーム氏は、このウイスキーを、「予想に反して繊細。最後にスモーキーな香りをわずかに残す」と表現。ニュージーランドのラジオ局に、
「100年前に作られたものはみな大きくて力強いとの先入観があった。スモーキーな香りや、シェリー酒の大樽からくるドライフルーツの味わいが強いんだろう、と」と語った。
「だから、リチャード(パターソン氏)と私は、このウイスキーを味わったとき、驚きを隠せなかった。品質が優れていただけでなく、なかなか繊細なスタイルを持ち合わせていたんだ」(ブルーム氏)
南極のシャクルトン探検隊の小屋からは、持ち帰ったもののほかにも、ウイスキー2箱、ブランデー2箱も見つかっているが、こちらは小屋の床下に残されたままだ。
一方、ニュージーランドに運ばれたウイスキーの木箱には、本来ならば12本のウイスキーが入っているはずだった。1本足りない理由については、おそらくシャクルトンか探検隊員が、極寒の南極で体を内側から温めようと飲んだのではないかとみられている。(c)AFP