【4月1日 AFP】大統領選の結果をめぐって混乱が続くコートジボワールで31日夜、国際社会が当選を承認するアルサン・ワタラ(Alassane Ouattara)元首相が、大統領職を辞さないローラン・バグボ(Laurent Gbagbo)氏に通告した権力移譲期限が過ぎた。ワタラ氏の支持派が首都ヤムスクロ(Yamoussoukro)の掌握を宣言する中、バグボ氏が拠点とする最大都市アビジャン(Abidjan)でも戦闘が始まり、バグボ氏は強制追放される一歩手前まで追い詰められている。

 ワタラ元首相がバグボ氏に通告した権力移譲期限は、31日GMT午後7時(日本時間1日午前4時)だった。バグボ氏は陸軍参謀、司令官、警官や憲兵たちにも離反され、アビジャンを包囲するワタラ派の部隊との最終決戦を迎えつつある。

 ワタラ氏側政府のギヨーム・ソロ(Guillaume Soro)首相は、AFPの電話取材に「流血の事態を避けるため、バグボ氏は退陣すべきだ。さもなければ、われわれが彼を捕えに行くだろう」と語った。また、国際社会によって大統領選に敗北したと認められながら、4か月もの間、権力にしがみついているバグボ氏に対しては「国際的な訴追もありうるだろう」と述べた。

■最大都市アビジャンで激しい戦闘

 報道や住民の証言によると、31日夜の時点で、アビジャンの大統領官邸や、同市北部の高級住宅地ココディ(Cocody)にあるバグボ氏邸周辺では、激しい戦闘が起きている。住民の1人は最終決戦かもしれないと語った。

 ワタラ氏側政府の国防相で軍広報を担当するレオン・コウアコウ・アリャ(Leon Kouakou Alla)大尉はAFPの取材に対し、国営テレビRTIを制圧下に置いたと語った。AFPが接触した住民たちによると、RTIは放送を中止している。

 戦闘はバグボ派への支持が根強い大学街Mermoz周辺から始まり、後にはRTIがある地域からも広がったという。また家にこもっている別の住民は、「2000~3000人の部隊が行進しているのを見た。また何十台もの車がヘッドライトを着けずに進んでいた」と証言した。(c)AFP/Fran Blandy