【3月29日 AFP】原発事故で危機的状況にある福島第一原子力発電所を操業する東京電力(Tokyo Electric Power Co.TEPCO)について、玄葉光一郎(Koichiro Gemba)国家戦略担当相は29日、「東電のあり方はさまざまな議論が当然あり得るだろう」と述べた上で、国有化も選択肢の一つになり得るとの考えを示した。共同通信(Kyodo News)が同日報じた。

 共同通信によると玄葉国家戦略担当相は、「原子力は国策で推進してきたのだから、最終的に国が責任を持つことが必要だ」と述べ、東京電力が負担しきれない賠償については国が肩代わりする可能性も強調した。

 一方、枝野幸男(Yukio Edano)官房長官は別の記者会見で、東電の国有化について政府が「現時点でそういった検討をしていることはない」と否定した。

 しかし、読売新聞(Yomiuri Shimbun)は同日、複数の政府関係者の話として、国などが東電の過半数の株式を取得し、今回の原発事故によって見込まれる巨額の賠償責任を果たせるようにする事実上の国有化案が浮上していると報じた。同紙によると政府関係者は、電力供給のために東電を一時的に国有化し、再生した上で資本を調達して民営化すると語ったという。(c)AFP