【3月18日 AFP】東京電力福島第1原子力発電所の6つの原子炉に世界の注目が集まっているが、それより大きいかもしれない新たな脅威が存在する――使用済み燃料貯蔵プールだ。

 プールの深さは14メートル。使用済みの核燃料は、熱がとれて落ち着くまで何年もこのプールの水中で冷やされる。もっとも、冷えたからと言って放射能がなくなるわけではない。

 フランス原子力安全機関(ASN)は16日、4号機の使用済み核燃料のプールが「最大の懸念」だとの見方を示した。また、フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のティエリ・シャルル(Thierry Charles)ディレクターは、グリニッジ標準時(GMT)の16日8時(日本時間16日午後5時)の時点で4号機のプールは「沸騰」しており、「その後の48時間が非常に重要」との見解を示した。

「水が補充されなければ数日以内に燃料棒が露出し始める。プールの水が無くなれば、最終的にはメルトダウンを引き起こすだろう。そのような事が起きれば、放出される放射性物質の量はこれまでより急激に増える」(シャルル氏)

 IRSNによると、4号機と同じく定期点検中で運転を停止していた5号機、6号機のプールの水温も「上昇傾向」にあり「冷やされなければ、これらのプールも数日以内に沸騰する可能性がある」という。(c)AFP/Richard Ingham