【3月13日 AFP】11日に発生した東北地方太平洋沖地震と津波を受け、米国で活躍する日本のスポーツ選手が家族や友人に関するニュースを求め必死になっている。

■日本人大リーガーから心配の声
 
 日本が強い存在感を示している米大リーグ(MLB)では、シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)のイチロー(Ichiro Suzuki)やボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の松坂大輔(Daisuke Matsuzaka)が、今回の地震とそれに続いた巨大津波を受け、母国を思っている。

 31日のシーズン開幕を控え、日本人選手らはフロリダ(Florida)州やアリゾナ(Arizona)州でのキャンプに臨みながら、愛する人たちとの連絡を取ろうと試みている。

 松坂は「電子メールで家族や何人かの友人と連絡がついて、みんな大丈夫そうだった。震源に近い青森に住んでいる祖母とは連絡が取れていない」とMLB機構側に話している。

 イチローは通訳を介し「携帯電話や電力がダウンしているからまだ分からない。家族の状況は分かっていない」と語り、家族の心配をしている。
 
 オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)の松井秀喜(Hideki Matsui)は、家族は震源から離れた場所に住んでいると語りながらも、被災者を心配している。「(被災地の映像を)観ると気掛かりだね。被災地に住んでいる方々を心配している。遠くからただ見守っているのはつらい」

■大リーグで広がる支援の輪

 開幕シリーズで対戦するアスレチックスとマリナーズは義援金を募る。マリナーズのハワード・リンカーン(Howard Lincoln)会長は「マリナーズは、世界中の方々とともに仙台などを襲った巨大地震と津波の被害を受けた多くの方々に心からお悔やみを申し上げます」との声明を発表した。

 また、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)は救援活動に10万ドル(約820万円)を寄付した。サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)も援助を計画、MLB機構のコミッショナー、バド・セリグ(Bud Selig)氏も支援を明言している。

■ゴルフ石川、テニス伊達や錦織も衝撃
 
 米マイアミ(Maiami)州で行われている世界ゴルフ選手権(World Golf Championships 2011)第2戦、キャデラック選手権(Cadillac Championship)に出場する石川遼(Ryo Ishikawa)は、朝起きてすぐに地震の報に接した。石川は「ゴルフに集中しようとしましたが、それは簡単なことではありませんでした。家族とは連絡が取れました。それがなければかなり厳しかったと思います。日本のスポーツ選手と共に、自分たちの仕事をすることで日本の皆さんに勇気や希望を持ってもらいたい」とし、自分に出来ることは、力の限り戦うことだと考えたと語っている。

 カリフォルニア、インディアン・ウェルズ(Indian Wells)で行われているテニスのBNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2011)では、クルム伊達公子(Kimiko Date Krumm)は家族を心配し、錦織圭(Kei Nishikori)は喪章をつけてプレーした。(c)AFP