【3月9日 AFP】国連(UN)が定める「国際女性の日(International Womens Day)」の8日、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領が「妻から抑圧を受けている」とジョークをとばした。

 首都カブール(Kabul)で行われた国際女性の日の催しに出席したカルザイ大統領は、なぜ婦人科医であるゼナット(Zenat Karzai)夫人が公の場に姿を見せないのかと質問された。

 これに対してカルザイ大統領は「家で私は抑圧されているんだ」と「告白」。「権限は彼女にあり、来たいか来たくないかも彼女が決めることだ。私が来させようとしても、良いことはない」と語った。

 この日の講演でカルザイ大統領は、女性への暴力をなくすことはイスラム教の教義やアフガニスタン憲法に沿うものだとアフガニスタンのイスラム教の指導者や部族長老らに呼びかけた。

 アフガニスタンにおける女性の人権状況は非常に悪い。カルザイ政権は最近、女性の保護施設を管理する権限を政府職員に与える計画を発表したため、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)などから批判されている。

 アフガニスタンは依然として強い男性社会だ。家庭での決定権も男性が持ち、女性はブルカを着用。強制結婚の慣習も根強く残っている。それでも、男性の付き添いなしに女性が外を出歩くことが禁じられていたタリバン(Taliban)政権時代に比べれば、女性の人権をめぐる状況は改善されている。(c)AFP