【3月9日 AFP】中東の産油国クウェートで8日、多数の若者が民主化やナセル・ムハンマド・ アハマド・サバハ(Nasser Mohammed al-Ahmed al-Sabah)首相の退任を求めて抗議デモを行った。

 首都クウェート市(Kuwait City)の沿岸にある政府庁舎近くの広場には、ヘリコプターが上空を旋回するなど厳重な警戒態勢が敷かれるなか、若者1000人近くが集まり、ナセル首相の辞任を求める横断幕を掲げて抗議デモを行った。

 デモを組織したのは若者グループ3団体。当初、デモは市中心部のサファト広場(Safat Square)で予定されていたが、当局が広場を封鎖したために急きょ、場所が変更された。

 ここ2週間ほど、改革推進派や野党勢力はナセル首相への辞任圧力を高めていた。加えて、こうした勢力は複数政党による欧米型民主主義に向けた政治改革も要求している。

 ナセル首相は、おじにあたるサバハ・アハマド・ジャビル・サバハ(Sabah al-Ahmad al-Jabir al-Sabah)首長から2006年に首相に任命されたが、以降、議会との対立を繰り返している。ナセル首相は6回、組閣しているが、このうち5内閣が総辞職に追い込まれ、議会も3回、解散している。(c)AFP