【3月5日 AFP】フランス・パリ市のロダン美術館(Musee Rodin)で4日、「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」が11/12年秋冬コレクションを発表した。

 「ディオール」は人種差別的な発言を受け、1日にデザイナーのジョン・ガリアーノ(John Galliano)氏を解雇。今回のコレクションが、1996年の就任以来、約15年にわたりブランドのクリエーションに貢献したガリアーノ氏が手がける最後の「ディオール」作品になる。

 開催前には、シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)社長兼CEOがステージに登場し「先週の出来事は、私たち全員にとって恐ろしく痛みを伴う苦しい試練だった」「ディオールの名前がデザ イナーの恥ずべき発言と関連付いている様子を目にするたびに、ひどく胸が痛んだ」と語り、一連の騒動について遺憾の意を表した。

 ガリアーノ氏はショーを欠席。いつもロックスターのような装いでショーのフィナーレに登場することで知られていたが、今回は彼に代わり、アトリエで働く職人たちが白衣姿でランウェイに登場。約800名の来場者からはスタンディングオベーションが巻き起こった。

 米「ヴォーグ(VOGUE)」のグレース・ コディントン(Grace Coddington)は「美しい作品だった。実に、美しかった。次にどう立て直すかは、そのうち分かることでしょう」とコメント。

 会場でショーを見守ったモデルのナタリア・ ボディアノヴァ(Natalia Vodianova)はガリアーノはアルコール依存に苦しんでいたと明かし「ジョンは、彼自身の力が及ばないような、病気の影響下にいました」と語った。

 ジャーナリストや関係者のバックステージ取材は禁止された。(c)AFP/Robert MacPherson

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