【3月2日 AFP】恋人候補が多いほど、「シングル」で終わってしまう確率が高くなるとする論文が2日、英国王立協会(British Royal Society)の専門誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に掲載された。

 英エディンバラ大(University of Edinburgh)のアリソン・レントン(Alison Lenton)研究員のチームは、シングルの男女の出会いの場として人気の「スピードデート」に着目した。スピードデートは、不特定多数の相手と1人あたり数分間のデートをこなしながら、理想的な相手を見つけるというもの。

 チームは、デーティングの会社が企画したスピードデート計84回に出席した女性1868人、男性1870人について結果を分析した。参加者は職業、学歴、年齢、身長、体重、宗教などを記入することになっており、平均年齢は、女性が34.3歳、男性が35.6歳。女性の20%、男性の27%が、専門職あるいは管理職に就いていた。

■条件限定しない場合、成立カップル数は3割減

 スピードデートでは、15~31人の相手と1人あたり3分間のデートをしてもらい、最後に両思いのカップルが発表された。

 参加人数の多いスピードデートでは、参加者の条件を限定した場合のカップル成立は平均123組だったが、参加者の条件を限定しなかった場合では88組に減った。

 参加人数が比較的少ないスピードデートでも、参加者の条件を限定した場合のカップル成立は平均85組だったが、参加者の条件を限定しなかったデートでは57組に減った。

■選択肢が多い方がよいのは、似通った相手から選ぶときのみ

 選択肢が多ければ気に入ったパートナーを見つけやすくなる。だがそれは、似通った選択肢の中から選ぶ場合に限られ、多様な選択肢から選ぶ場合には混乱して誰も選べなくなる傾向があることがわかった。

 また、男性は概して女性よりも積極的だったが、選択に悩むケースも男性の方が多かった。

 レントン氏は、「多様な選択肢は注意力と記憶力を必要とするが、人間はどちらの場合も容量が限られている」と話す。

 また、1人あたりのデート時間を10分に伸ばしても結果が劇的に変化することはないという。「通常、第一印象は数秒で出来上がってしまう。第一印象を変えることは難しい」(レントン氏)

 デーティングサイト「OnSpeedDating.com」を運営するAmber Solettiさんも、条件を非常に細かく指定できるようにしたところ、カップル成立率が格段に上がったと話した。ちなみにSolettiさんは、通常のスピードデートで相手を1人も見つけられなかった苦い経験から、このサイトを設立したのだという。(c)AFP/Winnie Andrews