【3月1日 AFP】反体制デモが続き、国内外から退陣を求める声が日増しに高まっているリビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐は2月28日、英米メディアの取材に対し、「国民はわたしを愛している」と述べて退陣の意志がないことを改めて強調した。

 カダフィ大佐は同日、首都トリポリ(Tripoli)で英BBC、英紙タイムズ(Times)、米ABCテレビのインタビューに応じた。BBCのウェブサイトは、大佐がたどたどしい英語で語ったとするコメントを掲載している。

「国民はわたしを愛している。国民はわたしの味方だ。彼らは死ぬ覚悟でわたしを守ろうとするだろう」「誰もわたしに反対などしていない。何に反対するというのだ?」

■「米国には裏切られた」

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は同日、国連人権理事会(UN Human Rights Council)で「リビア国民は明確に意思表示している。カダフィ大佐は国民への暴力をやめ、即刻退陣すべき」と述べたが、カダフィ大佐は早速、ABCテレビを通じて反論した。

「米国に裏切られた。米国にはモラルというものがない。アルカイダ(Al-Qaeda)を相手に戦ってきたはずの米国が、現在テロリストとの戦いを強いられているわれわれを見殺しにしようとしている」 

 カダフィ大佐はさらに、「(米国は)多分リビアを占領したいのだろう」と述べ、自分は大統領でも王でもないのだから退陣などできないと主張した。

 反体制デモが2週間前に始まって以来、反体制派はこれまでに東部の大半を制圧した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、デモ隊への弾圧で少なくとも1000人が死亡したとしている。(c)AFP

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