【2月25日 AFP】電気自動車による「エミッション・フリー(排気ゼロ)」の世界一周レース「ゼロ・レース(Zero Race)」に参加したオーストラリア、ドイツ、スイスの各チームが24日、188日間(うち陸路80日間)の旅を終えてスイス・ジュネーブ(Geneva)にゴールインした。

 オーストラリア製の2人乗り3輪電気自動車「TREV」、ドイツ製の電気スクーター「Vectrix」、そしてスイス製のハイテクオートバイ「Zerotracer」は、6か月前にスタートした国連(UN)欧州本部前のゴールラインにゆっくりと滑り込んだ。

 レースを主催したスイスの学校教師ルイ・パルメ(Louis Palmer)さんは、「17か国、2万9000キロを走行し、80日間で世界一周を達成した。信じられない!」と喜びを語った。パルメさん自身、3年前にソーラーパワーのタクシーを運転し、道中で有名人を乗せながら18か月間で世界一周を達成して話題となっている。

 国連が後援するこのレースは、欧州、ロシア、中国、カナダ、米国と東回りに移動し、前年12月にメキシコ・カンクン(Cancun)の国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(World Climate ConferenceCOP16)に立ち寄ったあと、モロッコ、スペインを経て、予定より1か月遅れでジュネーブに戻ってきた。

 国連環境計画(UN Environment ProgrammeUNEP)のシルビー・モタール(Sylvie Motard)氏は、「再生可能なクリーンエネルギーで走る車が、ガソリン車と同じくらい燃費効率が良いことが立証された。しかも排ガスはゼロだ」とコメントした。

 ただし、車に大きな故障はなかったものの、クリーンエネルギーの確保に苦労したこともあったようだ。車は風力、太陽光、水力などのクリーンエネルギーで発電した電力のみを使うというルールになっているが、オーストラリアチームのあるメンバーは、クリーンエネルギーを得られない困難な状況下でコンセントで電気の供給を受けたことを打ち明けた。消防署の電源を借りたこともあったという。(c)AFP

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【参考】「ゼロ・レース」公式サイト(英語)