【2月22日 AFP】近い将来、航空機は鳥類のような柔らかい翼を持ち、ロボットは思うままに変形することができるようになるかもしれないとの研究報告が19日、米国科学振興協会(American Association for the Advancement of ScienceAAAS)の年次会合で行われた。

 少し触れただけで葉を閉じるオジギソウの運動を研究することで、曲げたり、硬化したり、自己修復したりすることのできる新たな構造体が誕生するかもしれないと、米ミシガン大(University of Michigan)のコンウェル・ワン(Kon-Well Wang)教授(機械工学)は語る。植物の細胞や細胞壁の特徴から研究のヒントを得たのだという。

 オジギソウの葉の動きは普通に目で見れば分かる現象だが、この運動は植物の「水力学的な仕組み」により実現されている。

「(オジギソウの反応は)植物の細胞内外の水の流れである浸透作用により起きている。触れるなどのトリガーによって、特定の細胞内の水分が外に流れ出て、細胞が収縮する。流れ出た水分は他の細胞に入り込み、その細胞を拡張させる。こういった顕微鏡レベルでの変化により、植物はもっと大きな規模での変形や運動を実現している」

 このオジギソウの反応を観察することで、特殊な力学的性質を持った素材を開発するきっかけが生まれる可能性があると、ワン氏は信じている。

 ワン氏は、「現在は基礎研究だけを行っているが、応用研究の案もいくつか考えている」と述べ、飛行中に鳥類のように形を変える翼を持った航空機や、橋の下を通過する際に変形する機械類などを挙げた。(c)AFP