【2月20日 AFP】トム・ドニロン(Tom Donilon)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は19日、反政府デモが続いているバーレーンのサルマン・ビン・ハマド・ハリファ(Salman bin Hamad bin Isa Al-Khalifa)皇太子に電話で、人権を尊重し意味のある改革を始めるよう求めた。米政府が同日発表した。

 19日には英国のウィリアム・ヘイグ(William Hague)外相もサルマン皇太子に電話で、現状への深い懸念とデモ隊に実弾を使用したことへの強い不満を伝えた。

 米政府の別の声明によると、バラク・オバマ( Barack Obama)米大統領は18日、ハマド・ビン・イサ・ハリファ(Hamad bin Issa al-Khalifa)国王に電話で、バーレーンの安定は「バーレーン国民の普遍的な権利を尊重するかどうかにかかっている」と述べていた。

■治安部隊撤退、真珠広場にデモ隊戻る

 国営バーレーン通信(BNA)は、サルマン皇太子が治安部隊に真珠広場から離れるよう命じたとともに、デモ隊にも真珠広場から離れるよう要請したと報じた。バーレーンの警察と軍部隊は、反政府デモの中心地となっているバーレーンの首都マナマ(Manama)の真珠広場(Pearl Square)から撤退し、デモ隊は真珠広場に戻った。

 中東・北アフリカ各国では、これまで政府が国内の反政府勢力を抑え、地政学的な状況は比較的安定していた。しかし反政府デモが相次いでいることで、この地域の親米的な政権を支援してきた米外交の基本姿勢が試されている。(c)AFP