【2月18日 AFP】中央アジア・キルギスの議会は17日、同国北部の山にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相の名前を冠する政府提出の法案を、ほぼ全会一致で議決した。

「ウラジーミル・プーチン峰(Peak of Vladimir Putin)」と命名されることが決まったのは、北部の天山(Tian Shan)山脈にある標高4446メートルの無名峰。政府側は議会で、プーチン首相もこの山に登りたがっていると説明した。

 政府関係者によると、キルギスのアルマズベク・アタムバエフ(Almazbek Atambayev)首相から法案のことを聞いたプーチン首相は、「わたしがその山の最初の登頂者になるべきだ」などと冗談を飛ばしたという。

 法案には議員のほぼ全員が賛成。ある議員は「山にウラジーミル・プーチンと名付けるくらいなら、何の問題もない。山そのものをプーチン首相にあげてしまうわけではないのだから」と語った。それどころか、キルギスには7000メートル級の山々がいくつもあることを指摘し「もっと高い山にプーチン氏の名を与えるべきだ。4000メートル級の山なんかでは失礼だ」と苛立ちを見せる議員もいた。

 反対したのは、民族主義政党「ATA Zhurt」のみだった。同党は、キルギスの山の名前はキルギス人から取るべきだと主張している。キルギスにはすでに、ロシア初代大統領にちなんだ「ボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)峰」がある。

 アナリストらは今回の動きについて、現政権が親ロシアであることをアピールする狙いによるものと見ている。(c)AFP