【2月17日 AFP】米人気クイズテレビ番組「ジョパディ!(Jeopardy!)」で3日間にわたって行われたコンピューターと人間チャンピオン対決の最終日となった16日、勝利の軍配はコンピューターに上がった。

 米IBMの創業者トーマス・ワトソン(Thomas Watson)にちなんで名付けられた同社製スーパーコンピューター「ワトソン(Watson)」は、時に珍答を披露しながらも、回答ブザーを鳴らすたびに2人の人間チャンピオン、ブラド・ラッター(Brad Rutter)さんとケン・ジェニングス(Ken Jennings)さんに勝ち続けた。

 3日間の最終賞金額はワトソンが7万7147ドル(約640万円)、ジェニングスさんが2万4000ドル(約200万円)、現チャンピオンのラッターさんが2万1600ドル(約180万円)となった。

 今回の対決はいつもの「ジョパディ!」とは違う特別の出題形式で、回答者は与えられたヒントをもとに質問内容を推測した。ワトソンは膨大なデータベースにアクセスする必要があるだけではなく、複雑なヒントの意味を理解しなければならなかった。

■名回答を連発、実用的な応用が次の課題

 ワトソンが会場を驚かせた質問の1つは、ヒントが「デーブ・キャロル(Dave Carrol)がアップした『このフレンドリーな航空会社はギターを壊す』というタイトルのビデオ映像が、ユーチューブ(YouTube)で1000万回近く再生された」というもので、ワトソンは「ユナイテッド航空(United Airlines)とはどんなもの?」と見事に正解した。

 しかし、ワトソンがなかなかの技量を見せたとはいえ、映画『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』で殺人まで犯してしまうスーパーコンピューター、「ハル(Hal)」のように人間とインタラクティブにコミュニケーションする「考えるコンピューター」は、まだはるかに遠い。

 次の課題は、ワトソンに使用された技術を実用的な目的にどう応用するか探ることだ。IBMはすでに、患者を管理したり、日進月歩の医療研究をフォローしたりしなければならない医師を支援するためにワトソンの技術を応用する計画をたてている。(c)AFP/Mira Oberman

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