【2月17日 AFP】(写真追加)アラブ諸国で反政府デモが拡大するなか、中東のバーレーンで17日未明、治安部隊が首都マナマ(Manama)中心部の広場を占拠していた反体制派数百人の強制排除に乗り出し、反体制組織によると2人が死亡、少なくとも50人が負傷した。

 目撃者によると、治安部隊は広場に進入する際に催涙ガスを発射。広場は封鎖され、数百メートル離れた場所からも爆発音や救急車のサイレンが聞こえたという。また上空にはヘリコプターが旋回し、複数のジャーナリストが治安部隊に広場から追われる反政府派を目撃した。17日明け方までに、警察の尋問を受ける数人を残して広場にいた人びとはほぼ一掃された。

 強制排除について、バーレーンのシーア派の主要な反体制運動組織「ウィファーク(Al-Wefaq)」のマタール・マタール(Matar Matar)広報担当はAFPの取材に対し、「2人が殺され、少なくとも50人が負傷した。うち、少なくとも10人は重傷だ」と語った。

■チュニジア、エジプトに触発されデモ開始

 バーレーンでは、チュニジアやエジプトの民衆蜂起と政変に触発され、反体制派の活動家たちがインターネットのSNS「フェースブック(Facebook)」上で呼び掛けた政治改革を求めるデモが14日から始まった。

 15日には同国で多数派を占めるイスラム教シーア派による反政府デモの最中に、警官隊との衝突で若い参加者2人が死亡。これをきっかけに、マナマ中心にある真珠広場(Pearl Square)を数千人のデモが占拠していた。デモ隊は広場の名称を、エジプトでホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)政権を倒した18日間の民衆蜂起の中心地となったカイロ(Cairo)の広場にちなみ、タハリール広場(Tahrir Square、自由の広場の意)と改名していた。

 強制排除の前日16日には亡くなった2人目の葬儀が行われ、参加者たちは体制変革と「真の立憲君主制」を求めるスローガンを叫んでいた。

 米ホワイトハウスは16日、バーレーン情勢を「注視している」とし、バーレーン政府に平和的な反政府デモを認めるよう呼び掛けていた。バーレーンには米軍の中東展開の司令部にあたる米海軍第5艦隊が駐留している。(c)AFP

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