【2月15日 AFP】ケニア南部のツァボ(Tsavo)国立公園では近年密猟が増加し、深刻な干ばつに見舞われているにもかかわらず、ゾウの生息数は増加しているとする調査結果が、12日発表された。

 ケニア野生生物庁(Kenya Wildlife Service)が同国立公園で実施したゾウの個体数調査の暫定結果によると、生息数は3年前の1万1696頭から1万2572頭へ増加した。3年間で約2%増加したことになるが、増加率は前回調査時の約4%から半減した。

 増加が鈍っている原因について同庁は、深刻な干ばつと、象牙需要の高まりに伴う密猟の増加の可能性を挙げる。

 デンマークの面積よりも大きいツァボ国立公園は、同国のゾウの3分の1が暮らす有数のゾウ生息地だ。それだけに同公園のゾウは、国内のゾウ全体が直面している苦境を反映していると言える。

 1976年、同公園には3万5000頭あまりのゾウがいたが、1970年代初頭に深刻な干ばつで約6000頭が命を落とした。1988年までには、密猟の横行により5400頭にまで激減。だが、その後は積極的な保護活動が功を奏し、1990年代初頭からは徐々に増え続けている。
 
 ケニア野生生物庁は、2008年に南アフリカ、ボツワナ、ナミビア、ジンバブエの4か国で、中国と日本に対する象牙の競売が行われたことをきっかけに、不法な象牙取引が増加傾向にあると注意を促している。

 ケニアはここ数か月で、ナイロビ(Nairobi)国際空港からアジア諸国へ象牙を密輸しようとしたとして数人を逮捕している。(c)AFP