【2月13日 AFP】エジプト全土で18日間にわたり繰り広げられた反政府デモの中心地となった首都カイロ(Cairo)のタハリール広場(Tahrir Square)は13日、徐々に普段の姿を取り戻しつつある。

 多くの道路で戦車は道の端に移動し、道路を走る車も増えた。憲兵にタハリール広場を通るよう指示された車は、戦車や、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領支持派との衝突で死亡した「殉教者」たちの大きな写真のわきを通行している。

 さまざまな階層の多数のデモ参加者たちも、道路の清掃とゴミの回収を終えて自宅に戻り始めた。

 12日の夜はタハリール広場で眠ったという学生のヌール・ケルシャ(Nur Khersha)さん(24)は、「夢が実現した」と話す。「ムバラクは去った。掃除が終わって、広場が以前と同じようにきれいになったら僕も帰ります」。

 一部のデモ参加者は改革が実現されるまでタハリール広場を離れないと主張し、排除しようとした軍の部隊と一時もみ合いになったが、軍が譲歩した。

 情報処理技術者のアフメド・アフィフィ(Ahmed Afifi)さん(21)は、「軍は交通が再開できるように広場から出て欲しいと言ってきましたが、私たちは行きたくありません。軍が私たちの要求に回答するまでここにとどまります」と言う。政治犯の釈放と、容疑者を起訴しないまま無期限に勾留することを認めた法律の撤廃などを要求している。

 大統領の権限を委譲された軍最高評議会(Supreme Council of the Armed Forces)は12日、「自由で民主的な国家建設のため、選挙によって選ばれた民政」への平和的な移行をめざし、それまでの間は現在の内閣が存続すると発表したが、具体的な日程は示していない。(c)AFP