【2月12日 AFP】2007年12月にパキスタンのベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相が暗殺された事件で、パキスタンの対テロ特別法廷は12日、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)元大統領の逮捕状を発行した。

 同国連邦捜査局(Federal Investigation AgencyFIA)のチョードリー・ズルフィカール・アリ(Chaudhry Zulfiqar Ali)検察官は、AFPの取材に対し、判事がムシャラフ元大統領に対する保釈の認められない逮捕状を発行し、2月19日までに裁判所に出頭するよう命じたと語った。

 ブット元首相暗殺事件の合同捜査班が報告書で、事件は「ムシャラフ元大統領と警察幹部2人、およびテロリストらの関与する大規模な共謀」によるもので「ムシャラフ氏は事件に関与しており、責任があった」と結論付けたという。

 ブット元首相は07年、ラワルピンディ(Rawalpindi)で開いた選挙集会での演説を終えた後、自爆攻撃と発砲により暗殺された。

 パキスタン警察は前年12月、事件当時ラワルピンディの警察署長だったサウド・アジズ(Saud Aziz)容疑者と、同市警察幹部だったクラム・シャザド(Khurram Shahzad)容疑者を、ブット元首相の暗殺を防げなかった職務放棄の容疑で逮捕している。

 事件当時大統領だったムシャラフ氏は、現在はロンドン(London)に移住しており、パキスタンに帰国する可能性は低い。逮捕状発行を受け、ロンドンのムシャラフ氏は代理人を通じて出頭命令には応じない姿勢を表明した。(c)AFP/Khurram Shahzad

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