【2月12日 AFP】カレーに使われる黄色のスパイス「ターメリック」に含まれる色素などから作った新たな合成薬剤に、脳卒中後の脳細胞の再生を助ける効果があるかもしれないとの研究結果が9日、アメリカ心臓協会(American Heart AssociationAHA)主催の「国際脳卒中会議(International Stroke Conference)」で発表された。

 この新薬「CNB-001」は、カレーなど南アジアや中東の料理に良く使われるターメリックに含まれる黄色色素「クルクミン」を含む。動物実験で脳細胞の再生作用が示唆された。シダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical CenterCSMC)のポール・ラップチャック(Paul Lapchak)氏によると、ヒトでの臨床試験も間もなく実施される予定という。

 研究によると、CNB-001は血栓を除去する作用はないものの、ウサギに投与すると「1時間のうちに、脳卒中が原因で筋肉や運動操作に障害が起きる『運動障害』が減少した」。これはヒトに換算するとおよそ3時間に相当する。

 ラップチャック氏はCNB-001について、「血液脳関門を通過して、脳に迅速に伝達され、神経細胞の生存に関連するいくつかの重要なメカニズムを調整する」と説明した。ターメリック自体の効用にはこれまで、体内への吸収があまり良くないことや、高濃度で対象に到達しにくいこと、血液脳関門を通過しないなどの問題があった。(c)AFP