【2月7日 senken h】イマドキの高校生はどんな洋服を好んで、どんなファッションを楽しんでいるのだろう――そんな素朴な疑問を持って文化服装学院(Bunka Fashion College)の文化祭に遊びに来ていた高校生をスナップ。使えるお金も時間も限られるライフステージに居る彼や彼女に話を聞くと、意外に堅実な印象だ。ファッションに関しても、ハレの場所だけにもっと主張が強いタイプも多いのではと想像したが、いたって普通のおしゃれさんだ。

 30人をスナップ(掲載は19人)したが、アンケートを取ると、うち17人がファストファッションや古着、もらいものを身に着けていた。ブランド物を着ていた高校生はごくわずか。「昔に比べてブランド好きは少ないように思いますね」。文化服装学院の学務部で普段から高校生と接することが多い二木武史さんはいう。「昔は欲しいブランドの商品があったらバイトしてでも買ったものでしょうが、今の子はあまり執着しない。『高いなあ』と諦める」。ブランドやデザイナーの世界観が好き、という学生も少ないように思うと二木さんは話す。

 上記したファストファッションの影響力は見逃せない要素だ。ファッションに目覚めたら、そこに内外のファストファッションが当たり前のようにある環境は、以前の世代とは全く異なる。ハイブランド誌でもユニクロ(UNIQLO)の広告が載るようになり、ユニクロ登場の前後で意識は変わった。結果として、洋服を長く大事に着るという感覚は薄いが、ファストファッションの登場により、使えるお金が少なくてもファッションを選べるようになり、モノをセレクトする目はきっと肥えている。昔のような洋服などモノだけが並ぶカタログ雑誌で育った筆者のような世代とは異なり、ライフスタイル全般への目配りを怠らないのもこの世代の特徴だ。生活全般を綴るブログが受けるのも、そんな背景があるのだろう。

 考えれば、これは社会の成熟の証かもしれない。高校生がデザイナーなどのブランド物を所有する常識のない先進国のティーンの姿とだぶる。1点豪華主義など生活のアンバランスさも魅力だった日本の若者文化だが、そういう意味では普通の国になってきたのかもしれない。彼らの生きてきた十有余年がバブル後の失われた時代にぴたりと重なることを思い起こせば、むべなるかなでもある。 (c) senken h

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