【2月2日 AFP】米国は1日、中南部から北東部の広い範囲で数十年来で最悪の規模の冬の嵐に見舞われ、各地で停電や航空便が欠航になるなどの影響が出た。

 米航空宇宙局(NASA)によると1950年代以降では最大規模の吹雪がテキサス(Texas)州からメーン(Maine)州までの3000キロを超える範囲で猛威を振るっている。気象当局は、吹雪の勢いが弱まるまでには数日かかると見ており、注意を促している。

 全米50州のうち半数を超える州で、吹雪や大雪、みぞれなどに対する警報が出された。さらに、悪天候に見舞われた地域の最南端にあたるルイジアナ(Louisiana)とミシシッピ(Mississippi)州では、竜巻と雷を伴う暴風雨の恐れが出ている。

 記録的な大吹雪に見舞われた地域の地元当局は、屋外に出ないよう市民に呼びかけている。強風やみぞれで凍結した路上はスケートリンクのような、非常に危険な状態になった。なぎ倒された樹木や電柱が道路をふさいでいる場所もある。

 現地時間1日夜までに停電した世帯は、インディアナ(Indiana)州で6万世帯、オハイオ(Ohio)州でも2万2000世帯にのぼった。 さらに厳しい冷え込みや、猛烈な吹雪、1.8~2.4メートルほどの積雪も予想されている。

 イリノイ(Illinois)、インディアナ、ミズーリ(Missouri)、オクラホマ(Oklahoma)各州では非常事態が宣言され、路上で立ち往生した車に閉じ込められた人の救援に州兵が出動した。また、停電世帯の人のために暖房設備を備えた緊急避難所が設置された。休校した学校や、業務を休止した公的機関、企業なども多数出ている。

 航空便の運航情報サイト、フライトアウェア(FlightAware)によると、1日には全米の民間航空便の約2割にあたる6500便近くが欠航となった。2日には、さらに3600便が欠航となる見通しだという。(c)AFP/Mira Oberman