【1月30日 AFP】スーダン南部の中心都市ジュバ(Juba)で30日、今月9~15日に行われたスーダン南部の分離・独立の是非を問う住民投票の暫定結果を発表する式典が行われ、全体の99%近くがスーダン独立に賛成したことが明らかになった。

 式典での発表によると南部の投票率は99%、うち独立賛成が99.57%と圧倒した。南部で投票した人のうち独立に賛成しなかったのは1万6129人だけだった。

 外国で投票した人の99%、スーダン北部に住む南部出身者の58%が独立に賛成した。スーダン南部投票管理委員会(Southern Sudan Referendum Commission)のウェブサイトによると全投票数は385万1994票。開票率は100%で、全体の98.83%がスーダン南部の独立に賛成した。

 スーダン南部投票管理委員会のモハメド・ハリル・イブラヒム(Mohamed Khalil Ibrahim)委員長は、「たった今発表した結果によって状況は変わる。つまりスーダンは1つの国ではなく、2つの国になる」と宣言した。

■内戦当時の南部指導者の墓地で式典

 式典はスーダン内戦の南部側の指導者で2005年に死亡したジョン・ガラン(John Garang)元スーダン暫定政府第1副大統領の墓地で行われ、サルバ・キール・マヤルディ(Salva Kiir Mayardit)第1副大統領兼スーダン南部自治政府大統領も出席した。

 ガラン氏は、アフリカ系・キリスト教徒主体の南部と、アラブ系・イスラム教徒主体の北部との20年に及ぶ紛争を終結させた2005年の包括和平合意が締結された直後、ヘリコプター事故で死亡した。今回の住民投票は、この合意の履行の総仕上げだった。

 式典開始に祈祷を行った聖公会のダニエル・デン(Daniel Deng)主教は、「私が今捧げている祈りはスーダン南部の人びとが55年間待ち望んできた、国の祈りだ。この国、南スーダンの名に祝福あれ」と述べた。式典には南部の指導者のほか外交官も出席した。

 スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領はすでに北部は住民投票の結果を尊重する意向を表明している。バシル大統領は今月上旬、世界で193番目の国になるという南部の決断を「新たな始まり」と呼び、北部と南部が2つの国として「兄弟のような関係」を築いていけることを願うと述べた。(c)AFP/Peter Martell