【1月19日 AFP】12日にブラジル南東部リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)州で発生した地滑りなどによる死者は18日までに、州当局の集計で702人に達した。州都リオデジャネイロに近い山間部のセハナ(Serrana)地域の捜索が進めば死者は増えるとみられている。

 同州の衛生・民間防衛当局によると約1万4000人が家を失ったり、自宅のある地域へ戻れなくなったりしている。現地メディアに437人が犠牲になった1967年の地滑りを超える同国史上最悪の地滑りになったと報じている。

 政府は兵士700人とヘリコプターや4輪駆動車を動員して救助隊の支援にあたらせるとともに、4億5000万ドル(約370億円)の支援を約束し、うち6000万ドル(約50億円)分はすでに実施された。

 ブラジルで雨期に雨が強いのは普通だが、12日は急に想像を絶する豪雨となり、わずか数時間で例年の1か月分に相当する雨が降った。丘陵地帯の地下にある花こう岩層に沿って大量の雨水が流れ、これが表土を押し流して地滑りや土砂崩れが発生した。泥土や土砂は、丘陵のふもとにあった集落になだれ込んで多くの犠牲者を出した。ほぼ全滅した集落もある。

 丘陵の斜面には貧困層が公有地を占拠して建てた違法住宅が多く、それらは瞬く間に破壊された。数多くの富裕層の家も土砂に飲み込まれた。

 ジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領は15日、ブラジル全土で3日間の服喪を宣言した。リオデジャネイロ州では17日から1週間の服喪期間に入っている。多くの一般の人が食糧や衣類を送るなど、被災者を支援している。(c)AFP/Yana Marull