【1月17日 senken h】今回はほんわかと希望がわいてくるシネマ3作品をピックアップ。 

■『しあわせの雨傘』
 現代フランス映画界きっての監督フランソワ・オゾンが、大女優カトリーヌ・ドヌーヴ(Catherine Deneuve)をヒロインに迎え、彼女の代表作『シェルブールの雨傘』とオーバーラップするフレンチコメディー『しあわせの雨傘』が誕生した。笑いを主目的にしたというよりは、ミルフィーユのように幾重にも入り組んだ仕掛けが、オゾンの腕の見せどころだ。夫である雨傘工場の経営者が突然倒れたことが引き金となり、激変する「お飾り」マダムの人生は、観客にとって予期せぬ未来へと走り出す。物語を紡ぐ俳優たちのアンサンブルが、カラフルなパッチワーク風ですばらしい。

■『ウッド・ストックがやってくる!』
 映画の成り立ちを再確認するかのような、「監督主義プロジェクト(Director’s Driven Project)」がスタートする。アメリカ映画界を代表する監督、アン・リー(Ang Lee)、コーエン兄弟、サム・メンデス(Sam Mendes)が、いずれもアカデミー賞受賞後に描いた3作品をピックアップして、「映画は監督で!映画は映画館で!」をスローガンに、連続で公開するという試みだ。その口火を切るのはリー監督の『ウッド・ストックがやってくる!』。あの音楽界の歴史に残る1969年の伝説的イベント「ウッドストック・フェスティバル」の舞台裏を記したエリオット・タイバーによるノンフィクションが本作のベースとなっている。

■『犬とあなたの物語 いぬのえいが』
 話題を呼んだ11のエピソードから構成された「いぬのえいが」からおよそ5年の歳月を経て、シリーズ第2弾『犬とあなたの物語 いぬのえいが』が公開になる。犬と人間のキモチのピンポンゲームとも称したい、6人の監督による6つのストーリーは、1作を除きすべてCM業界で活躍する監督たちが手がけた。最も長い一話「犬の名前」は、「西の魔女が死んだ」の監督と、昨今話題作が続く2人、大森南朋(Nao Omori)、松嶋菜々子(Nanako Matsushima)が夫婦役を好演。69犬種107匹の犬たちとのスクリーンでの出会いは、心地よい余韻が残る。(c)senken h / text:宇佐美浩子

【関連情報】
◆『しあわせの雨傘』 公式サイト
◆『ウッド・ストックがやってくる!』 公式サイト
◆『犬とあなたの物語 いぬのえいが』 公式サイト
◆特集:senken h 109