トスカーニ氏は、AFPの取材に対し、ハイファッションの写真のウソを暴きたかったと述べる。「女性がハイヒールでよろめいて、鮮やかな赤色の口紅を塗っているような、古典的なファッション業界写真が魅力的と思われるのを変えたいんだ」

 トスカーニ氏は伊アパレルブランド「ベネトン(Benetton)」の有名な広告キャンペーンを手がけたことで知られる。衝撃的な写真を使うキャンペーンでキャリアを重ね、多くの批判も受けてきた。ファッション業界に挑戦状を突きつけるのもこれが初めてではない。

 1992年に発表したベネトンの広告ではエイズで死につつある男性の写真を使用し、大きな議論を巻き起こした。また、2000年には死刑囚の写真を使ったキャンペーンで同様に論争に火をつけた。イタリアでも2005年に、男性2人がソファーでまさぐり合う写真を服飾ブランドの広告に採用し、カトリック教徒の多いイタリアで激しい非難を浴びて掲載禁止となった。

 2007年には、ファッション業界のステレオタイプに対する疑問を突きつけるとして、非常にやせほそったフランスの元モデル、イザベル・カーロ(Isabelle Caro)さんを取り上げた「NO拒食症」キャンペーンを展開した。カーロさんは前年11月、28歳で死去した。

 今回の女性器カレンダーのキャンペーンについても、トスカーニ氏はまるで悪びれた様子を見せずに、「セクシーな女性が体を露出してるカレンダーは無数にある。ぼくのカレンダーみたいなのは全然無いけどね。ぼくの写真はひどいものじゃない。写真は体の美しく健康的な部分をとらえたものだ」と語った。(c)AFP/Ella Ide