【1月7日 AFP】「お酒を飲みたい気持ちを抑えるワクチン」がチリで開発されており、2012年から臨床試験が実施される。同国の研究者が6日、地元ラジオ局Radio Cooperativaに明らかにした。

 チリの研究機関「Faculty of Sciences and Mathematics」などの研究者からなるチームを率いるファン・アセンホ(Juan Asenjo)氏は、この遺伝療法はアルコールを代謝する酵素の一種でアルコール耐性を司る「アルデヒド・デヒドロゲナーゼ」に基づき行うと説明する。

 アジア人の約20%にはこの酵素が欠損しているため、飲酒を抑制する強い反応を経験するのだという。

 開発中のワクチンはこの反応に類似した不安感、吐き気、頻脈などを増長させる効果があるという。ワクチンを接種するとこの反応のおかげで、アルコールを摂取したいという願望が大幅に減少するのだという。

 アルコール依存症のラットにワクチンを投与する実験では、アルコール摂取を半分に減らすことができた。「人間ではアルコール摂取を90~95%減らせれば」とアセンホ氏は期待を語る。

 ワクチンは禁煙用のパッチやピルと同様に作用するが、他の細胞への副作用を避けるために肝臓細胞のみを対象としており、より効果的だという。(c)AFP