【12月27日 AFP】英秘密情報部(Secret Intelligence ServiceSIS)、通称「MI6」の職員が8月に英ロンドン(London)の自宅でカバンの中から遺体で発見された事件で、この職員は事件発生当時、諜報員になるための訓練を受けている最中だったと、大衆紙メール・オン・サンデー(Mail on Sunday)が26日報じた。

 遺体で見つかったガレス・ウィリアムズ(Gareth Williams)さんを幼い頃から知る友人で、ファッション・スタイリストのシアン・ロイドジョーンズ(Sian Lloyd-Jones)さん(33)が、同紙に明かしたという。

 これによると、ウィリアムズさんは今年始めにロイドジョーンズさん宅を訪れた際、自分が「成りすますことになる人物について勉強中」だと明かしたという。ウィリアムズさんは、ロイドジョーンズさん宅に仕事を持ち込むことがよくあり、その夜も「大量の資料ファイルを抱えてきて、目を通していた。彼はパスポートを2つ持っていた」とロイドジョーンズさんは語った。

 事件当時、ウィリアムズさんは暗号解読担当からの異動が決まっていたが、異動先が諜報活動部門だった可能性が出てきた。

■同性愛疑惑は否定

 捜査当局は、ウィリアムズさんがSMプレー用ボンデージのウェブサイトを訪問していたことや、未使用の高価な女性用ブランド服が大量に発見されたことから、ウィリアムズさんが同性愛者である可能性を指摘。ウィリアムズさんの謎めいた死をめぐる世間の関心は、最近、MI6職務との関連からウィリアムズさんの私生活に移っている。

 しかしロイドジョーンズさんは、これを否定。「彼はガールフレンドを欲しがっていたし、結婚して家庭を持ちたいと語っていた」と証言するとともに、女性用の服は、自分やウィリアムズさんの妹へのプレゼントだったのではないかと話した。

 捜査当局は22日、6月末から7月頃にウィリアムズさんのアパートを訪れた南欧出身とみられる男女の写真を公開し、現在行方を追っている。(c)AFP

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