【12月23日 AFP】欧州の冬は過去10年間でたびたび記録的大寒波に見舞われているが、その主な要因は地球温暖化であるとする論文が、今月発行の学術誌「Journal of Geophysical Research(地球物理学研究ジャーナル)」に発表された。

 欧州全域は2005~06年の冬季に大寒波に見舞われた。強い寒波は09~10年の冬季にも再来。今季も既に各地で記録的寒波に見舞われ、交通機関が大混乱するなど影響が出ている。

 ドイツのポツダム気候影響研究所(Potsdam Institute for Climate Impact Research)は今回発表した論文で、地球温暖化が欧州に大寒波をもたらしていると結論づけた。

■海氷面積の減少が強い高気圧を生み出す

 北極では、世界平均の2~3倍の速さで気温が上昇しており、過去30年間で海氷面積が20%減少している。

 研究チームは、スカンジナビア半島北方のバレンツ・カラ海(Barents-Kara Sea)の冬季の海氷面積の減少が天候パターンに及ぼす影響について、コンピューター・シミュレーションを行ったところ、次のような結果が得られた。

 海氷面積が減少すると、太陽の放射熱は、氷や雪で反射される量より、海に吸収される量の方が多くなり、温暖化が加速される。

 これにより、冬季にも広大な熱源(つまり海に吸収された熱)が存在することになる。海水が比較的温かいため、上空の冷たい空気との温度差により海から上空に向けて熱流が生じ、大気が温められる。

 その結果、海氷のない海の上空には勢力の強い高気圧が発生し、反時計回りに回転して、欧州に北極の寒気を流し込む。

■欧州と北アジア、寒気強まる可能性3倍に

 研究者は、このような異常現象により、欧州と北アジアの冬の寒気が強まる可能性は3倍になったと指摘している。

 なお研究者らは、欧州で頻発する寒波は温暖化傾向が弱まった証ではなく、(温暖化の)影響の偏りが反映されているに過ぎないと口をそろえる。

 ある研究者は、「(ポツダムで)氷点下14度と30センチの積雪を記録するかと思えば、グリーンランドでは12月になっても氷点下にならない日々が続いている」と話した。(c)AFP/Marlowe Hood