【12月16日 AFP】土星で大きさが欧州大陸ほどもある巨大なサイクロンが、5年間も連続して吹き荒れているとの観測結果を、スペイン・バスク大学(University of the Basque Country)の研究チームが15日、発表した。

 米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニ(Cassini)から2004年に初めて送信された画像を研究チームが追跡調査して発見したもので、渦巻きの直径は4000キロ。太陽系の木星型(大型)惑星(土星、木星、海王星、天王星)で、これまでに観測されたサイクロンのなかで、最も持続時間が長いという。

 カッシーニが送信した画像の公開は1年後となるため、最新の画像は2009年のものだが、研究チームはサイクロンが04年から5年が経過した09年の時点でも消滅していないことを確認。このサイクロンが2010年も存在しているかどうかを確認するため、引き続き観測する。

 通常のサイクロンは長くは持続しないため、これほど長期にわたって持続するサイクロンの発見は驚きに値するという。 

 一方、土星で見つかったサイクロンは、その巨大さにもかかわらず風力は強くはない。サイクロンは強いジェット気流に引きずられて風速68メートルで進んでいるが、いちばん風力の強い外側部分の最大風速は毎秒20メートルだという。(c)AFP