【12月7日 AFP】過去最大規模の日米共同統合演習「キーン・ソード」(Keen Sword、鋭利な剣の意)が3日から行われている。

 演習4日目の6日には、自衛隊のF15戦闘機4機と米軍のF16戦闘機8機からなる飛行隊が、敵にみたてた自衛隊機8機から米軍のC130ハーキュリーズ(Hercules)輸送機を守るという想定の訓練が行われた。報道陣を乗せて東京の在日米軍横田基地(Yokota Air Base)を離陸したハーキュリーズは海面から300メートルの低空飛行や鋭いらせん上昇など、攻撃を回避するための激しい機動を披露した。

 11月23日の北朝鮮による砲撃では韓国人4人が死亡したが、横田基地に駐屯するポール・フェザー(Paul Feather)空軍大佐は報道陣に対し、砲撃事件は非常に不運な出来事だったが北朝鮮で何が起ころうとそれに左右されることはないとして、演習を縮小することはないと述べた。キーン・ソードは10日まで行われる。

■米韓合同演習を超える規模

 今回の演習には日米合計で約4万4000人、艦艇60隻、航空機400機が参加している。前月23日の北朝鮮による韓国・延坪島(Yeonpyeong-do)砲撃後に米韓両軍が行った前週の米韓合同軍事演習を超える規模だ。

 演習内容には統合防空やミサイル防衛、基地警備、近接航空支援、実弾射撃訓練、海上防衛、捜索救難訓練などが含まれている。また米韓演習にも参加した米原子力空母ジョージ・ワシントン(USS George Washington)も日米のイージス艦などとともに訓練に参加している。

 中国がことし領有権問題で強硬姿勢を示したことも日本やアジア諸国にとって懸念材料となっており、米国は地域の均衡を保つ上で重要な国だとみなされている。一方で、今回の合同演習の直前に行われた沖縄県の知事選では、県内の米軍駐留に反対する民意が示された。

 しかし沖縄県・嘉手納基地(Kadena Air Base)所属のブライアン・ブシャール(Bryan Bouchard)中尉は、米軍駐留は日米が共同して日本を防衛するためだとして、「自衛隊との合同演習が多いほど、有事によく対処できることは明らかだ。合同演習をしなければ、演習が十分な場合と同水準の有効な対処ができるとは思えない」と述べた。(c)AFP/David Watkins