【12月2日 AFP】気候変動という難題に悩まされている各国首脳は、「竹」に目を向けるべき――。今週開幕した国連気候変動枠組み条約(UN Framework Convention on Climate ChangeUNFCCC)第16回締約国会議(COP16)に合わせ、開催地メキシコ・カンクン(Cancun)で1日、中国の政府間機関がこのような提言を行った。

 竹と籐(とう)の資源開発やフェアトレードを推進している「国際竹籐組織(INBAR)」によると、竹には多くの利点がある。

 竹林は、光合成を通じて、二酸化炭素(CO2)排出量削減に大きく貢献する。前月報告されたある科学調査によると、一部の竹の種類は、成長が最も速い商用樹木の中でもモミやユーカリと同等かそれ以上にCO2を吸収できるという。

 さらに、地下茎が土壌流出を抑え、洪水や地すべりの際に山の斜面や川岸が押し流されるのを防ぐ効能があるという。

■「賢人の建材」、その他の利点

 竹は、アフリカ、アジア、中南米などの貧困国の多くで、手軽に手に入れることができる。

 INBARによると竹は、年間50億ドル(約4200億円)の収入を生み出し、15億人以上の生計を助けている。1日に1メートル伸びるなど、成長も速い。

 住宅不足問題も解消してくれる。INBARによると、竹造りの家は何百年も前から存在しているが、竹の潜在能力を理解せず「貧困層向けの建材」と誤解している人が多い。「実際、竹は鋼鉄より頑丈で、材木より値段が安く、コンクリートよりもはるかに加工しやすい。地震時には緩衝材の役割をする。『賢人の建材』と称されるべきだ」と、INBARは提案している。(c)AFP