【12月2日 AFP】浜辺でのパーティー中にウオッカを探しに出たのが漂流の原因――。太平洋上を小型ボートで50日間以上漂流し、前週フィジー諸島沖で救助された少年3人が1日、サモアで会見した。漂流中はしきりに食べ物の話をし、誰かに発見してもらえるよう祈っていたという。

 エドワード・ナサウ(Edward Nasau)君(14)、サミュエル・ペレス(Samuel Perez)君(15)、フィロフィロ(Filo Filo)君(15)は、南太平洋のトケラウ(Tokelau)諸島(ニュージーランド領)からアルミニウム製の小型ボートで海に乗り出し、行方不明となった。

 少年たちが海に出た理由としては、メディアが「その日の朝に出会った、近隣の島から来た少女を探しに行った」と報じていた。しかしナサウ君は、この報道について「ただのうわさ話だよ」と否定し、「僕が他の子たちと集まって飲んでいたら、2人が来て、(3人でウオッカを)もっと探しに行こうという話になったんだ」と説明した。

 最終的に1420キロ離れたフィジー沖で救出された3人の生還は奇跡だと話題になっているが、3人とも最初の2週間は、自分たちが漂流したとは考えていなかったという。
 
 ペレス君は漂流中、祖母が心配しすぎて心臓まひにならないかというのが一番不安だったと語った。「それ以外は、ほとんどの時間は寝て過ごした。時々泳いだり、しゃべったりした」とペレス君。横からナサウ君が「話題は、食べ物のことばかりだったよ」と付け足した。

 3人が海に出た日は当初、捜索記録から10月5日とみられていたが、漁船から3人の身柄を引き取ったフィジー海軍は、さらに前の9月24日から漂流していた可能性があるとしている。

 今月下旬に3人は地元の島へ送り届けられる予定で、それまで現在はサモアで待機している。(c)AFP/Sione Lesisi

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