【11月30日 AFP】セネガルで女子割礼(女性器切除)と強制結婚が最も広く行われている南部コルダ(Kolda)州の700の村が28日、女子割礼と強制結婚の廃止を宣言した。

 廃止を宣言する式典では、住人3000人近くが横断幕や肖像画を掲げてデモ行進したあと、ピンクの巻きスカートに色鮮やかなヘッドドレスを身につけた少女たちが音楽やダンス、演劇などを披露した。非政府組織(NGO)トスタン(Tostan)代表のMolly Melching氏によると、少女たちのパフォーマンスには「若い女性にとってこうした風習の廃止がとても重要である」とのメッセージが込められたという。

 これらの慣習の廃止が宣言された地域は、国内5000の共同体のうち4500にまで上った。

 正式な廃止宣言にこぎつけるまでには、村々に文化的・宗教的な慣習を廃止するよう呼び掛ける政府やNGOによる長い取り組みがあった。

 女子割礼は10年ほど前に違法化されているにもかかわらず、多くの地域で続けられてきた。コルダ州では、女子割礼の実施割合はセネガルで最も高い94%に上っている。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によれば、女子割礼はアフリカに深く根ざした慣習で、どの宗教も規定していないにもかかわらず、宗教的信念により今でも年間数百万人規模の少女たちに行われている。

 米国務省の報告書によれば、セネガルでは女子割礼の方法は2種類あり、少女の陰核の一部または全部を切除する場合や、極端な事例では外性器をすべて切除したり、性器を縫合したりする場合もある。

 セネガル政府は7月、女子割礼が現在も女性の28%に実施されていると報告した。2015年までの完全な撲滅を目指している。(c)AFP

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