【11月25日 AFP】カンボジアの首都プノンペン(Phnom Penh)で22日夜に発生した「水祭り」の見物客の将棋倒し事故を受け、政府は25日を服喪の日とし、現場となったプノンペン市内の橋では同日フン・セン(Hun Sen)首相らが参列して追悼式が行われた。

 一時456人と発表された将棋倒しによる死者は、24日に行われた政府・地元当局・事故調査委の協議を経て347人と訂正された。事故直後には犠牲者たちの靴や服、飲みかけのペットボトルなどが狭い橋の上に生々しく散乱していたが、すでにすっかり片付けられていた。橋のたもとに設置された祭壇の前に立った喪服姿のフン・セン首相は、涙をぬぐいながら焼香した。

 プノンペン各所の政府庁舎には反旗が掲げられた。大半の学校は休校し、制服を着た児童たちが追悼式で献花を行った。

 当局はこの事故について、水祭りを祝おうと見物に訪れた群集に、会場の小島へつながるこの橋が壊れるという噂が伝わってパニックになったとみている。イット・サムヘン(Ith Samheng)社会福祉相によると、死者347人のうち221人が女性だった。また各病院の報告をあわせると、負傷者は計395人となっている。
 
 年中行事である水祭りには例年、カンボジア各地から約300万人が訪れる。犠牲者の遺族が警備面での不備に怒りをあらわにする中、政府も遊覧船事故の防止やすり対策には力を入れていたものの、群衆整理には甘さがあったことを認めている。

 事故のあった橋は民間のものだったため警備も民間の警備会社が担当し、警察は橋以外の場所での整理を支援する程度だったという。(c)AFP/Suy Se

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