感謝祭、ベジタリアンに「感謝している」七面鳥
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【11月25日 AFP】体重20キロの堂々たる体格の七面鳥、ビクター。25日の感謝祭ではどの家庭にも歓迎されそうだが、彼が夕食の席を彩るのは、4600万羽の「同胞」たちのように「メインディッシュ」としてではない。「賓客」としてである。
米国では、食肉処理場などから救出され、保護施設で暮らす七面鳥が増え続けている。ビクターもその1羽。
毎年、感謝祭になると、米大統領が七面鳥に「恩赦」を与える恒例の行事が行われるが、ビクターが感謝しなければならないのは、大統領ではなく、年々増加するベジタリアンやベーガン(完全菜食主義者)たちだ。
ビクターは4年前の感謝祭の日に、ワシントンD.C.(Washington D.C.)郊外のジャーマンタウン(Germantown)をてくてく歩いているところを発見された。この時ビクターは生後数か月。食卓にのぼる七面鳥はだいたい生後4か月というから、ほぼ「食べ頃」だった。
ビクターにとってラッキーなことに、彼を見つけたのはベーガンの夫婦だった。夫婦はビクターをメリーランド(Maryland)州にある動物保護施設「ポプラースプリング(Poplar Spring Animal Sanctuary)」に預け、彼はここで4歳の誕生日を迎えた。
■「食べられる側」を人間がもてなすパーティー
前週末、ポプラースプリングでは、感謝祭に食肉として供されていたかもしれない動物たちをもてなす夕食会が開かれた。招かれたのは、ビクターを始めとする七面鳥、ホロホロ鳥、ニワトリ、クジャク、ブタなどだ。
貴賓の鳥類がトウモロコシ、ブドウ、豆腐、葉野菜、リンゴをつつき、ブタがかぼちゃをむさぼるなか、別にもうけられたテーブルでは800人ほどが椅子に座り、暖かい秋の日差しのもと、各自が持ち寄ったクスクス、豆、パンプキンスープ、パスタなどを食した。
ポプラースプリングがこうした夕食会を初めて開いたのは12年前のこと。その時の参加者はわずか50人だった。今年800人以上が参加したということは、ベジタリアンやベーガンが増えつつあるという事実を反映している。米国の人口3億人のうち、ベジタリアンは600~800万人、うち約半数はベーガンだとする統計がある。
ベジタリアンに転向する主な理由が、「動物の殺りくに加担したくない」といったものだという。ビクターたちと食事を共にするという試みで、実際、一部の参加者が菜食主義へ鞍替えしたという。
「ここに来た多くの人たちが、七面鳥がペットのイヌみたいだということに驚きます。七面鳥のオパル(Opal)は、人のあとをついて来て、頭をなでさせるんですよ」と、米ベジタリアン・リソース・グループ(Vegetarian Resource Group)のある幹部は話した。
夕食会の参加者は、気に入った七面鳥をペットとして引き取ることもできるという。
■ベジタリアン向け七面鳥の代用、「トーファーキー」が爆発的人気
慈悲深い人は、感謝祭に、ベジタリアン向けの「トーファーキー(七面鳥の丸焼きに似せた豆腐)」を食べることもできる。
七面鳥の生産量は、需要の拡大に伴い、1970年から倍増しているが、トーファーキーの方は初めて世に出た1995年から600倍以上の伸びを見せている。トーファーキーの前年の売り上げ個数は34万個。今年は、11月だけで、前年通算の売り上げ個数を6%も上回っているという。(c)AFP/Karin Zeitvogel
米国では、食肉処理場などから救出され、保護施設で暮らす七面鳥が増え続けている。ビクターもその1羽。
毎年、感謝祭になると、米大統領が七面鳥に「恩赦」を与える恒例の行事が行われるが、ビクターが感謝しなければならないのは、大統領ではなく、年々増加するベジタリアンやベーガン(完全菜食主義者)たちだ。
ビクターは4年前の感謝祭の日に、ワシントンD.C.(Washington D.C.)郊外のジャーマンタウン(Germantown)をてくてく歩いているところを発見された。この時ビクターは生後数か月。食卓にのぼる七面鳥はだいたい生後4か月というから、ほぼ「食べ頃」だった。
ビクターにとってラッキーなことに、彼を見つけたのはベーガンの夫婦だった。夫婦はビクターをメリーランド(Maryland)州にある動物保護施設「ポプラースプリング(Poplar Spring Animal Sanctuary)」に預け、彼はここで4歳の誕生日を迎えた。
■「食べられる側」を人間がもてなすパーティー
前週末、ポプラースプリングでは、感謝祭に食肉として供されていたかもしれない動物たちをもてなす夕食会が開かれた。招かれたのは、ビクターを始めとする七面鳥、ホロホロ鳥、ニワトリ、クジャク、ブタなどだ。
貴賓の鳥類がトウモロコシ、ブドウ、豆腐、葉野菜、リンゴをつつき、ブタがかぼちゃをむさぼるなか、別にもうけられたテーブルでは800人ほどが椅子に座り、暖かい秋の日差しのもと、各自が持ち寄ったクスクス、豆、パンプキンスープ、パスタなどを食した。
ポプラースプリングがこうした夕食会を初めて開いたのは12年前のこと。その時の参加者はわずか50人だった。今年800人以上が参加したということは、ベジタリアンやベーガンが増えつつあるという事実を反映している。米国の人口3億人のうち、ベジタリアンは600~800万人、うち約半数はベーガンだとする統計がある。
ベジタリアンに転向する主な理由が、「動物の殺りくに加担したくない」といったものだという。ビクターたちと食事を共にするという試みで、実際、一部の参加者が菜食主義へ鞍替えしたという。
「ここに来た多くの人たちが、七面鳥がペットのイヌみたいだということに驚きます。七面鳥のオパル(Opal)は、人のあとをついて来て、頭をなでさせるんですよ」と、米ベジタリアン・リソース・グループ(Vegetarian Resource Group)のある幹部は話した。
夕食会の参加者は、気に入った七面鳥をペットとして引き取ることもできるという。
■ベジタリアン向け七面鳥の代用、「トーファーキー」が爆発的人気
慈悲深い人は、感謝祭に、ベジタリアン向けの「トーファーキー(七面鳥の丸焼きに似せた豆腐)」を食べることもできる。
七面鳥の生産量は、需要の拡大に伴い、1970年から倍増しているが、トーファーキーの方は初めて世に出た1995年から600倍以上の伸びを見せている。トーファーキーの前年の売り上げ個数は34万個。今年は、11月だけで、前年通算の売り上げ個数を6%も上回っているという。(c)AFP/Karin Zeitvogel