【11月18日 AFP】欧州の地を初めて踏んだネイティブ・アメリカンは、西暦1000年ごろに北欧のバイキングによってアイスランドに連れてこられた女性だった可能性が高いとの研究結果を、スペイン科学研究高等会議(CSIC)が発表した。クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)の「新大陸」発見より数世紀も前に、バイキングが北米大陸に到達していたとする説の信ぴょう性を高める発見だ。

 CSICとアイスランド大(University of Iceland)の研究チームは、アイスランドの4つの家系、約80人について遺伝子解析を行った。すると、通常ネイティブ・アメリカンか東アジア人にしか見られないDNA型を全員が持っていることが分かった。

 当初、このDNAは比較的最近アイスランドに移住してきたアジア人に由来するものと思われたが、血統を調べてみると、4家族とも祖先が1710~1740年にアイスランド南部の同じ地域に居住していたことが明らかになった。
 
 新たに「C1e」と名付けられた系統はミトコンドリア型であるため、女性によりアイスランドに持ち込まれた可能性を示唆している。アイスランドは10世紀から孤島であったことも考え合わせると、この遺伝子はネイティブ・アメリカンの女性のもので、女性は西暦1000年ごろにバイキングにより現在の米国から連れてこられたとの仮定が成り立つという。

 研究チームは、アイスランド南部などでほかにもネイティブ・アメリカンのDNA型を持っている住民がいないかを調査する考えだ。

 この研究は、米学術誌「アメリカ形質人類学会誌(American Journal of Physical Anthropology)」にも掲載された。同誌の解説によると、現代アイスランド人の系統の75~80%はスカンジナビアに、残りはスコットランドとアイルランドに由来している。だが「C1e」は、「約1万4000年前の南北アメリカ大陸における集落に関係した数少ない系統の1つ」だという。血統の予備的分析では、「C1」は少なくとも300年前にはアイスランド人のミトコンドリアDNAに紛れ込んでいたことがわかっている。

 解説は、「以上から、アイスランドC1系統が、10世紀から行われたバイキングによるアメリカ航海に起源を持つという興味深い可能性が浮かび上がった」としている。(c)AFP