【11月14日 AFP】各国の国内総支出に占める科学予算の割合で、中国を筆頭にアジア地域が速いペースで欧米諸国や日本を追い上げていることが、10日発表された国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)の報告書で明らかになった。

 ユネスコの調査によると、アジア各国のサイエンス分野の研究開発費が国内総支出に占める割合は32%で、2007年の27%から増加。また、アジアの研究者のうち発展途上国の研究者が占める割合も、同じ期間に30%から38%に増えていた。中国だけで142万3000人の増加で、全研究者の増加分の3分の2を占めた。
 
 報告書の序文でユネスコのイリナ・ボコバ(Irina Bokova)事務局長は、「欧州連合(EU)、米国、日本の3者よる支配とそれ以外とで二極化されていた科学技術の世界が徐々に、多極化した世界へ移行しつつある」と解説した。

 一方で、アジアは依然、科学的な水準と発明性の点では遅れている。

 一例として、科学論文の「引用数」で見てみると、日米欧の研究のほうが圧倒的に多かった。またアジアほど、高い品質評価を得ている日米欧が申請した特許の「分け前」にあやかろうとする事例が多かった。

 さらに、08年の国際金融危機で多少勢いは緩んだものの、アジアの開発途上国にとっては、優秀な才能が富裕国へ移転してしまうという頭脳流出の問題が懸念となっていることも示された。(c)AFP