【11月13日 AFP】カナダ極北の北極圏で、約4000キロ離れた南の土地から丸ごと運ばれてきたモスクが10日、とうとうオープンを果たした。

 カナダのメディアに「大ツンドラの小さなモスク」と呼ばれているこの施設には赤いカーペットが敷かれ、キッチンと図書室まであるという。

 ノースウェスト準州(Northwest Territories)にある人口4000人の小さな町、イヌヴィック(Inuvik)ではここ数年でイスラム教徒の人数が80人を超え、長さ7メートル、幅3メートルのトレーラー式礼拝所に入れなくなってしまった。

 しかし北極圏では、人件費・建設資材費が都市部よりも高くつくため、信者らは新しいモスクを建てることが出来なかった。そこで、カナダ中部マニトバ(Manitoba)州のプレハブ業者からモスクを丸ごと送ってもらうことになったのだ。

 トラックの荷台に載せられた黄色いモスクは、カナダの広大な大草原を越え森を抜け、ノースウェスト準州南部のグレートスレーブ湖(Great Slave Lake)に運ばれた。そこで荷船に積みかえられ、マッケンジー川(McKenzie River)を北上し、北極線から200キロ北にあるイヌヴィックに届けられた。

 ちなみに、10メートルの高さのミナレット(尖塔)は、イヌヴィックで造られたものだという。(c)AFP

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