【11月11日 AFP】米国のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領が、9日に発売された回顧録『Decision Points(決断のとき)』の中で、世界の指導者たちについて「私見」を披露している。その一部をご紹介しよう。

■中国の胡錦濤(Hu Jintao)国家主席

 簡単には興奮しない落ち着いた人格で、物事を分析することを心がけている。「人口増加についていくためには年間2500万の雇用を創出しなければならない」と考えると夜も眠れないと語っていた。「これは、彼が国外で問題を引き起こすイデオローグではなく、内政に集中した実践的指導者であることを示している」

■英国のトニー・ブレア(Tony Blair)元首相

 当然のことながら「最も親しいパートナーで、国際舞台における第一の親友だった」と述べた上で、考えが揺れる同盟国の指導者もいたが、「ブレアはぶれることがなかった」と強調。中東和平4者協議特使にブレア氏が就任した際には、ブッシュ氏に「わたしがノーベル平和賞をもらったとしたら、その時あなたは、わたしが失敗したということを知るだろう」と「ジョーク」を飛ばした。

■ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相

「ときに気取っていて、ときに魅力的で、いつもタフ。単刀直入で信頼できる」人物だと評している。あるときのやりとりで、プーチン氏が自分のことを「熱血漢」だと述べたところ、ブッシュ氏は「いいやウラジーミル、君は冷血漢だ」と言い返した。

 03年の米軍によるイラク侵攻にプーチン氏が反対した理由は「石油に関するうまみのある契約をロシアが失いたくなかった」のが一因だろうと記している。

■北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記

 自分の双子の娘が小さい頃、親の気を引くために食べ物を投げたりしたことと比較して、「子どもを育てているようだった」。安全保障チームには、「奴の食べ物を拾うのはもうやめだ」と告げた。

■ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領

 米国を支持する「ダイナミック」な指導者。

■サルコジ氏の前任者、ジャック・シラク(Jacques Chirac)前仏大統領

 ほかの国に指導者に、モラルと政策に関する講義をするのが好き。故ヤセル・アラファト(Yasser Arafat)パレスチナ自治政府前議長のことを「勇気ある男」と呼んだり、G8の会合で、ロシアのプーチン氏はよい仕事をしているので欧米の助言など不要だと述べるなど、「ジャック・シラクに同意することはあまりなかった」

■イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相

 2001年9月11日の米同時多発テロの翌日、「子どものように泣けて止まらなかった」と言われた。

■ドイツのゲアハルト・シュレーダー(Gerhard Schroeder)前首相

 イラク侵攻の前には、軍事力が必要ならば「味方になる」と言っておきながら、再選するためにイラク戦争の見通しについて声高に攻撃した。首相退任後、ロシアの政府系天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)の子会社の会長に就任したときは「裏切られた」気分だった。 (c)AFP

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