【11月10日 MODE PRESS】今年メゾン設立60周年を迎えたピエール・カルダン(Pierre Cardin)が9日、東京・新宿にある文化服装学院(Bunka Fashion College)でファッションショーを開催した。

 今から42年前、1958年に初来日したカルダン氏は、当時のことを「まるで月に行くような感覚だった」と振り返る。

 1945年に当時ジャン・コクトー(Jean Cocteau)が監督を務めた映画『美女と野獣』で衣装と仮面をデザインしたことをきっかけに、デザイナーとしての道を歩み始めたカルダン氏は、その後1950年にメゾン開設。1953年には初のオートクチュールコレクションを発表するも、1959年にはフランスオートクチュール協会の会員でありながら婦人用プレタポルテ(既製服)コレクションを発表する。オートクチュールがファッションの主流だった当時、カルダン氏の手によってより一般的な存在へと変わった瞬間でもあった。一時は、これらの活動が影響しオートクチュール協会から除名されるが、3年後には会長職として組合に復帰。これまでの激動の人生を振り返り、「自分にとって、シンプルでありながら、着やすいプレタポルテこそがゴールだった。これまでの活動を通して、世界中の人々に着てもらって初めて意味があり、喜びがあるということを身をもって証明できたと思う」とカルダン氏は語る。

 常に既成概念にとらわれない自由な発想とオリジナルなクリエーションは、あらゆる分野において成功を遂げる。現在、世界中110か国で800ものライセンスビジネスを展開しており、すべてにおいて時代の1歩、2歩先を見つめている。88歳の今もなお、精力的にデザイナー活動を行うカルダン氏の瞳には、衰えをまったく感じさせないほどの力強さに満ちあふれていた。最後に、「ファッションは生き甲斐であり、パッションである」と熱く語るその姿は、まるで大きな夢と期待に胸をふくらませる少年のようにも映った。【岩田奈那】(c)MODE PRESS

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