【11月8日 AFP】ミャンマー東部のタイ国境地帯で8日、少数民族カレン人の武装組織とミャンマー国軍との間で戦闘が勃発し、民間人3人が死亡した。タイ当局によると、約1万人がタイ側へ逃げ込んでいる。

 戦闘が起きたのはカイン(カレン)州のミャワディ(Myawaddy)で、ミャンマー当局者が匿名で明かしたところによるとカレン人武装組織の重火器による攻撃で11人が負傷した。

 タイ国境警備隊の兵士によると、ロケット弾1発がタイ側の国境の町メソト(Mae Sot)に着弾し、数人の負傷者が出ている模様だ。タイ当局は国境を流れる川沿いの住民を避難させたという。

 ミャンマー軍事政権への抵抗を続ける反政府武装組織カレン民族同盟(Karen National UnionKNU)のタイ在住の指導者は、戦闘は国軍と、民主カレン仏教徒軍(Democratic Karen Buddhist ArmyDKBA)の武装兵約300人との間で起きたと述べた。現在のところ戦闘はミャワディのみに留まっているが、周辺地域に拡大するようなら、最大500人のDKBA兵に900人のKNU勢力が加勢する可能性もあるとしている。

 亡命ミャンマー人による放送局「民主ビルマの声(Democratic Voice of BurmaDVB)」は前週、ミャンマーの少数民族の6つの武装組織が対政府で共闘する方針で合意したと伝えていた。

 戦闘勃発の経緯は不明だが、地元のDKBA幹部は反軍政派のインターネット新聞イラワジ(Irrawady)に対し、政府軍から発砲したと主張している。(c)AFP

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