【10月31日 AFP】189か国が参加して6か月にわたって中国・上海(Shanghai)で行われた上海万博(World Expo 2010)が31日に閉幕した。今回の万博は始めて発展途上国で開催され、会期中の入場者は7300万人近くに上った。

 大勢が来場した最終日の万博会場で国内外の高官が出席して行われたフォーラムの席上、中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は上海万博は中国人に改革を継続する自信を与えたと指摘し、中国はあらゆる文明が成し遂げた功績を学び、平和的な発展の道を歩み続けると述べた。

 国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は同じフォーラムで、上海は世界有数のコスモポリタンな都市という名声を確固たるものにしたと述べ、上海万博の開放性の恩恵を世界が享受し、万博で展示された環境を改善する技術とアイデアが実際に応用されることを希望すると述べた。

 万博事務局は、海外旅行に行けるのは人口の5%未満にとどまっている中国にあって、「よりよい都市、よりよい生活」をテーマに行われた今回の万博は中国の人々に直接外国と触れ合う初めての機会を提供したとしている。国営新華社(Xinhua)通信によると、上海万博は上海と周辺地域の観光業界に800億元(約9700億円)の経済効果をもたらしたとみられる。

 ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)大統領、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領、米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官ら世界のリーダーたちも訪れた上海万博は、2008年の北京五輪に続き、中国の経済力と政治力が強まったことを世界に示す形になった。(c)AFP